-日本に相応しいGAP規範の構築とGAP普及のために-

協会案内

設立の趣旨

 日本農業は、戦後復興の中で農家の所得向上と農産物の量的確保を目指して大きく発展してきました。戦後の農業は、基盤整備や機械化、化学肥料と農薬の多投などに支えられ、1960年代に食糧が量的に確保されると、美味しさや見栄えなどの質の向上に向かいました。1980年代以降は健康志向や食の安全志向が強くなり、減農薬栽培や持続的農業が試行され、1990年代には有機農業が注目されるようになりました。
 一方、1990年代に入り輸入青果物が増え、米価が下がり、多くの農家が経営に行き詰まり、担い手不足や耕作放棄などが表面化してきました。また、これまでの大規模農家の育成に重点をおいた農政により農村社会そのものが崩壊しつつあり、地域環境の豊かさや国民の財産である農業の多面的機能が失われつつあります。
 かつてヨーロッパも大気汚染や農薬・肥料の多投等による大規模な環境破壊を経験し、1970年頃より環境保全型農業、持続的農業への諸政策が始まりました。その中心の農産物の価格支持政策は生産過剰と財政負担という問題に直面し、1990年代初めのEU共通農業政策の見直しにより価格支持政策から直接支払いに大きく方向転換しました。現在のEU共通農業政策では、GAPは「農業者が守るべき最低限のマナー」として生産者の義務になっており、その上の「環境や景観に対する便益」や条件不利地域への直接支払いにより農業者への所得補償を行っています。
 欧州の農業政策とその適正農業規範(GAP規範)や主な小売業者が「許容できる最低規準」として定めたGLOBALGAP規準等に学び、GAP(適正農業管理)の正しい理解に努めれば、GAPが適切な農業生産の在り方の基本的考え方を示すものであることが判ります。適切なGAPは、法令や科学に基づくものであり、農業の健全性を示す指標です。GAP規範とそれに基づくGAPは、期待される農業の考え方と実践そのものであり、究極的には「人間活動と自然環境との調和」という人類の永遠の課題への農業における約束事です。GAPのこのような考え方は、日本農業の在り方、環境政策と農業政策の在り方などに大きな指針を与えるものです。
 欧州のGAPへの取組みに学びつつ、欧州と異なる水稲を中心とする日本農業に相応しい農業モデルを日本版「GAP規範」で規定し、このGAP規範の実現レベルを評価するGAP規準を作成することが非常に重要です。そのために専門的で透明性の高い組織として、一般社団法人GAP普及協会を設立し、全国的なGAP普及を目指します。

目的及び事業

 当法人は、人類の永遠の課題である「人間活動と自然環境との調和」を目指す農林水産業を構築するために、農業における基本的な約束事である適正農業規範(以下、GAP規範という)及びこれに基づく適正農業規準(以下、GAP規準という)を策定する活動を行うとともに、農業現場で行われる適正農業管理(以下、GAPという)のあり方とその実践に係る学術的活動及びGAPの普及・啓発活動を行うことを目的とし、この目的を達成するために、以下の事業を行う。

 
  1. 日本版GAP規範の策定
  2. 日本版GAP規範によるGAP規準の策定
  3. 日本農業に適したGAP規準の認証事業
  4. 日本農業に適したGAPの教育・指導事業
  5. GAPシンポジウム・セミナー等の主催
  6. GAPに関する国際交流の推進事業
  7. その他、当法人の目的を達成する必要な事業

定款

定款定款

所在地

  〒305-0035 茨城県つくば市松代3-4-3 松代ハウスA-402

  TEL 029-861-4900 FAX 029-856-0024

  mjfagap.or.jp

組織

組織図

組織図

役員 (2023年6月10日現在)

理事長 田上隆一  
株式会社AGIC 取締役
専務理事 山田正美  
元福井県農林水産部農林技幹
常務理事 二宮正士  
東京大学農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 国際フィールドフェノミクス研究拠点 特任教授
理事 佐々木茂明  
農業生産法人 株式会社Citrus代表取締役
理事 小池英彦  
長野県諏訪農業農村支援センター
理事 田上隆多  
株式会社AGIC 代表取締役
理事 中島 洋  
一般社団法人沖縄トランスフォーメーション 代表理事
監事 森 剛一  
森税務会計事務所長
監事 多田 誠  
ティーエーディーエー 代表

委員会

規範委員会 日本GAP規範の策定に関すること
山田正美(委員長)、田上隆一、二宮正士、佐々木茂明、田上隆多、小池英彦
《拡大委員》中島敏明、髙橋昭博(調査や執筆に協力していただくために一時的に委員を増強する場合がある)
評価制度・普及委員会 GH評価規準の策定、GH評価制度の運営・普及に関すること
田上隆一(委員長)、二宮正士、田上隆多
《拡大委員》成光昭男(調査や執筆に協力していただくために一時的に委員を増強する場合がある)
教育・広報委員会 GAPの教育・指導・調査・広報に関すること
二宮正士(委員長)、田上隆一、中島洋、田上隆多、山藤万里子
編集委員会 GAPに関する出版、GAP普及ニュースに関すること
山田正美(委員長)、田上隆一、中島洋、田上隆多、山藤万里子

事務局 (2022年6月11日現在)

事務局長 田上隆多
局員 山藤万里子、田上里絵、白川洋輔、田中祐子